国内の雇用を守るための新経済成長戦略、エネルギーの安定供給確保と新エネルギー普及のための新たなエネルギー戦略、持続可能な社会保障制度を可能にする財政改革、徳育をはじめとした教育の再生等と日本再生に向けた重要課題が山積しています。政治は、目指すべき国のかたちを国民に明確に示さねばなりません。そして、政治哲学や基本理念に基づくすじの通った政策を実行する責任があります。

現在、残念なことに国民の政治に対する不信感は高まっています。多くの人々が、『政権交代』の嵐の中で誕生した民主党政権はマニフェストの約束をほとんど反故にしたばかりか、そもそも統治能力にも欠如しており、一度やらせてみようと思ったが、全く期待はずれだったと思っています。与党はスウェーデンの社会保障給付に言及しつつも、スウェーデンのような高福祉高負担の社会民主主義をめざしているのかどうか、国のかたちの基本さえ国民に明確にしていません。しかし、受け皿となるべき野党も、批判ばかりするのではなくもっと前向きな政策提言をするべきだと国民の多くが苛立っています。

自民党は、保守改革によって日本を再生する道すじを国民にもっとしっかり語らねばなりません。弱い立場の人を支えつつ、がんばる人が報われる自立的な社会を実現するための責任ある基本政策をもっと国民に発信すべきです。

4.

民主党政権の頭割りのバラマキ政策、社会保障制度に対する基本的考え方は、『公助により誰でも頭割りで助ける』というものです。　　　　　　　　　　
生活保護費も、バラマキの風潮や政府の対応によって政権交代後給付が５割近く増加し、３．７兆円にもなっています。地域によるバラツキも大きくなっています。本当に困っている方への支援は必要です。しかし、働けるのに働かない一部の『タダのり』や賃金水準を超える生活保護給付水準に対して、厳しい雇用環境の中で低賃金で真面目に働く方々からの不公平感が急速に拡がっています。

社会保障制度は、まず自助自律が基本だと考えます。額に汗して働く人が報われる社会を目指すべきです。その上でのセーフティネットであるべきです。
生活保護費については、
�@不正受給の防止。
�A勤労者の賃金水準とバランスをとった生活保護水準の引き下げ。
�Bモラルハザードや過剰診療を抑制するための医療費扶助の抑制。
�C現金給付から現物給付への切り替え。
等制度の見直しを図るべきです。

大阪の橋下市長は、同様の趣旨の主張を激しい言葉でしています。全国で最も運用が甘いと言われる大阪市で、まず運用を厳格に改善するだけでも事態は変わります。そして、制度自体の見直しは国政の責任です。

4.

多くの中小企業に続いて、今回国内唯一の半導体ＤＲＡＭ製造メーカー（世界第三位）のエルピーダが負債４，５００億円をかかえ、会社更生法の適用を申請し倒産した。何とか支援企業をさがし、再起をを図って国内の雇用を守るとともに日本の材料メーカー、下請け中小企業の生き残りや競争力確保を図らねばなりません。

2009年に国が産活法による支援も行ってきた経緯もあるが、少量高付加価値の製品ばかりでなく普及製品でもやっていける経済・経営環境を国家戦略として作れなかったことは経済産業政策の失敗であり、国としても大いに反省すべきだ。経産大臣は『やむを得ない』とコメントしているようだが、民間企業のこととヒトゴトのようにコメントしているようでは問題だ。国としても国家戦略に基づく産業政策としてインフラ整備にしっかりと取り組む必要がある。

日本人が日本の国の中で、私達が故郷の地域の中で安心して働ける雇用の場を確保するために国を挙げて元気な日本経済・地域経済の再生に取り組まねばなりません。借金による一律のバラマキ政策では日本はけっして再生しません。

『税と社会保障の一体改革』については、国会の場でしっかりと議論すべきです。

日本人が日本の国の中で、私たちが故郷の地域の中で安心して働ける雇用の場を確保するために、国を挙げて元気な日本経済・地域経済の再生に取り組まねばなりません。借金による一律のバラマキ政策では日本は再生しません。

野田総理は、国会での説明もせずその夜の記者会見で「ＴＰＰ交渉参加に向け関係国との協議に入る」と表明しました。国内外において、協議とは『参加協議』なのか『事前協議』なのか、玉虫色のごまかし発言が野田総理への不信につながっています。国益を考えた責任と覚悟のある姿勢が必要です。

震災対策・第三次補正については、できる限り早く成立させ、８ヵ月もたって遅々として進まない震災復興対策を推進していくことが必要です。真の政治主導によって、責任と覚悟のある対応をせねばなりません。

政権交代から２年。政権交代の約束であったはずのマニフェストは反故にされたまま、社会主義的バラマキ政策、外交安全保障政策をはじめ基本政策について民主党から国民への説明もありません。思いつきの独りよがりな権力行使が統治機構を混乱させています。「親小沢・反小沢」「主流派・非主流派」の党内抗争がくり返され、２年にして３人の代表・総理が交代するという異常事態です。国の危機的情況に対して、政治の空白や停滞は許されません。

3．

民主党代表選挙をめぐって、小沢１３０人、鳩山５０人、菅５０人、前原４０人、野田３０人、樽床３０人、旧社会党３０人、旧民社党３０人といわれる各々のグループの動きがマスコミに大きく取り上げられています。　『大連立』についても、各グループがかけ引きをし、テレビでは閣僚の『大連立』についてのコメントが次々と流れています。しかし、国の基本政策が大きくぶれ、マニフェストもホゴにされる中、国民に対して不透明となっている国のかたちについての基本政策・政治哲学を明確にしないままに代表選挙がすすんでいくことは、全く無責任です。

もちろん、東北大震災は緊急に対応を求められます。与野党の協力も必要です。しかし、日一日と対応を迫られる国政の大問題はそれだけではありません。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
�@ マニフェストにもられた社会主義的一律バラマキ政策は見直すのか。　
�A 日米安保、日米関係、日中関係、領土問題等といった外交安全保障の基本をどうするのか。現在のような外交不在は放置してよいのか。
�B 『家族の絆』『道徳』といった日本の社会のこれまでの基本を教育・子育て・福祉等で今後も大切にしていくのか。
�C 二酸化炭素（ＣＯ２）削減、国民の国内での雇用確保・経済活動の維持、国際的原子力政策協調の中での日本の位置づけ等、原子力を含むエネルギー政策のベストミックスをどうするのか。
�D 円高、財政危機等に対して今何をすべきか。企業の海外移転に対して今何をすべきか。
�E 社会保障と税の一体改革は、本当に覚悟をもって着実にすすめるのか。

政治や政治家が尊敬されず信用されずに、国民が政治をあきらめている国の国民生活が良くなることはありません。みんなで政治をもう一度建て直そう。国民の政治への信頼を回復するために、政治が、政治家が変わらねばなりません。今、政治家の資質と覚悟が問われています。『がんばろう日本』。ゼロからの挑戦です。

自民党は大災害の発生以来、持てるノウハウのすべてを政府に提供し、精力的に議員立法を提案してきています。
（１）震災直後の３／１３以降、５回を超える申し入れ・緊急提案のほか第一次から第三次までの緊急提言を行ってきました。ガレキ処理、避難所支援、自治体の応援体制、生活復旧、産業支援、原発対策、エネルギー対策、経済戦略など８００項目を超える対応策を提言しています。政府もこの貢献を多として、大臣が自民党本部まで回答書を何度も持参しています。
（２）復興再生基本法については、政府・与党は自民党案をほぼ丸のみしています。�@原発賠償金を一日でも早く支給する法律、�Aガレキ処理の国負担１０割など国の責任を明確化する法律、�B学校建物等の災害復旧の助成のための法律、�C原発事故調査をすすめる法律など、野党が率先して法案を提案しています。

与野党、国民が心を一つにして大震災を乗り越えよう。『がんばろう 日本！』
根性を見せた４ヵ月で１３キロのダイエット成功。

早速、菅・鳩山会談で交わされた確認文書について争いが生じ、
（１）鳩山前首相は、『一定の目途』とは、�@復興基本法案の成立【既に総理は自民党案の丸のみを表明済】、�A二次補正の編成の目途【成立ではない】がたつことが総理との約束であるとし、本会議後のインタビューで『その時期は夏前だ』と発言しています。
（２）一方、岡田幹事長は、文書に書かれた内容はあくまで確認すべき点にすぎず、辞任の条件ではないと発言しています。鳩山前総理は、ウソツキだと強く批判しています。
（３）総理も夜の会見で、冷温停止の達成まで、即ち少なくとも来年明けまでの続投を表明しました。前総理に総理がペテン師と言われるのは異常です。
これは真に密室政治です。しかし、その約束についてさえ混乱するようで、菅民主党政権が国家の運営を今後きちんとできるのか本当に心配です。こんな時期に、ポスト菅の党内争いが与党の中で静かに始まらないことを祈るばかりです。国民や被災者のことを第一に考えねばなりません。

責任を持って計画を策定し、実行することが政治責任です。当面の予算についても、
�@一次補正予算で計上された１．０００億円の生活者支援予算は、７月から８月にかけて全部消化されてしまいます。８月末に提出された二次補正予算が執行できるようになるまでの数カ月間、生活者支援の予算は一体どうするのでしょうか。
�A確かに大きな復興計画の作成には、各地域の復興計画の積み上げが前提になることは事実です。しかし、大きな復興計画の作成の前に農業、漁業、工業、商業の支援をしていかなければ、被災者は仮設住宅にたとえ入れるようになっても暮らしていくことができません。特に、農業・漁業には季節というものがあります。漁船やビニールハウスや機械設備は一体どうするのですか。
�B復興計画前のがれき処理やインフラの復旧予算も全く足りません。

『政治主導』とは、少人数の思いつきでかってに決断することではありません。『政治主導』とは、官僚の専門的な知識や経験を使いこなし、専門家の提案もよく聞いた上で、総合的な視点から前例にとらわれず政治が決断をすることです。そしてその決定については、自らがその責任をすべて背負う覚悟をもつことです。都合が悪くなると、人の責任にして、『東京電力の責任』『沖縄地検の検事が決定』『厚生労働省の課長がやったことで知らなかった』などと言い逃れをするのは、政治主導の覚悟のない証拠です。

与党は、４月までに２３年度予算が成立しないと国民生活に大混乱が起こると不安をあおっていますが、国民生活に混乱が起きないような対応は、しっかりと図ります。暫定予算を組み、収入を補う資金繰りの準備をすることで、どうしても必要な支出である年金などは変わらず支給できます。国民生活への目配りを忘れることなく、責任ある予算審議を行いますから、心配はありません。"

また菅総理は、消費税を含む税と社会保障の一体改革についてひたすら与野党協議を呼びかけています。民主党内閣の与謝野大臣の発言内容自体は自民党時代にとりまとめたものであって、基本的に異存はありませんが、民主党のマニフェストや社会保障制度特に年金制度についての従来からの民主党の主張と相いれないことばかりです。本当に民主党政権はマニフェストや従来からの主張を変えられるのか、党としての正式の見解をまず明らかにすべきです。具体的な案が前提なら協議に応ずるのは当然のことです。

与党の各省大臣・内閣のつくった予算を、同じ与党の他の大臣が、立場の明確でない民間人である仕分け人といっしょになってテレビの前で『政治ショー』をやるような手荒なやり方で仕分けするのも制度上おかしいです。無駄な事業の削減には多いに賛成ですが、もっと丁寧な責任あるやり方をすべきです。"