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 ■ 経済産業委員会での質疑の模様 2002年6月26日

後藤(茂)委員 後藤です。
大変熱心な、鋭い議論が進んでいるわけでありますけれども、主に政策課題について少し議論をさせていただきたいと思っております。
国内に石油資源をほとんど持っていない我が国にとっては、石油の安定供給を確保するということは非常に重要な政策課題でありまして、そのために石油公団を中心として自主開発努力がずうっと行われてきて、石油総輸入の一三%を自主開発原油が一応賄うようになってきている。そのことについては、安定供給、過去のいろいろな危機的な事例を考えてみれば、相当な成果が上がっていると言えるだろうというふうに私も思います。
しかし、石油開発プロジェクトに二兆円という大変な資金を投入してきたわけです。そして一兆三千億円、これはどういう根拠かという議論もありますけれども、一兆三千億円とも言われる不良資産をつくりながらやってきた。そして、当初、石油公団ができて、かけ声をかけていたときには、日の丸原油は三割は確保するんだ、あるいは中東依存度を低めるんだというふうに言ってきたけれども、正直言って中東依存度は八六%に上がってしまった。しかし、国の予算をじゃぶじゃぶ使ったことについては、これはもう大変な額を使ったことだというふうに思います。
そういう意味からいえば、自主開発のこの方式、私はこれはやはり大きな失敗だったと反省をする必要はあるだろうと思っています。そういう意味では、今後、石油の安定確保を図っていく、それから自主開発事業を論ずるに当たっては、これまでの石油公団のやってきたいろいろなこういう方式について、やっぱり失敗を総括しておくという必要が非常に重要だというふうに思います。いろいろこれまでも議論されているところでありますけれども、私自身は、三つぐらい、石油公団の自主開発プロジェクトは失敗だったなというふうに思っている点があります。
第一は、リスクを遮断するために導入されたワンプロジェクト・ワンカンパニー方式、もちろん後続発進部隊としてはそれなりの意味があったわけでありますけれども、しかし、この方式で一たん採択されたプロジェクトというのは、例えば当初の見通しどおり計画が進まなくても、あるいは特別な事態が生じた場合でも、あるいはプロジェクトが見通しと違ってうまく進まなかった場合にでも、なかなか途中撤退をできない、むだな投資をワンプロジェクト・ワンカンパニーでずっと続けるということにつながってしまったのではないかというふうに思います。
長い蓄積によって自己資金で運営しているメジャー、彼らにとって一番大切なことは、ポートフォリオの観点から、だめなときには、たとえ大きな金をつぎ込んでいても撤退する勇気を持つことであるし、それから、資産売却を含めてトータルなリスク管理を行うところに石油資源開発会社、石油資源開発資本としてのガバナビリティーとそれから戦略性があるんだというふうに思うわけですけれども、まさにこのシステムというのはそういうものが働かない形になってしまった。本来は石油公団がもう少しやるべきだったのかもしれませんけれども、しかしそこは、申し出があって三割の金が準備されれば、七割は、個別に一発当てればもうかりますねという話でいろいろ事態が進んでいってしまった。
第二は、今話が出ましたが、出資、減免融資合わせて七割助成、三割自己資金という方式自身が民間による責任ある投資を阻害してしまった。いや、金を出す、出資する人がいれば、二倍半のレバレッジがきくわけですから、ではやってみるかという話にそれはなってしまうということになったのではないか。
それからもう一つは、オイルショック後、特にヒステリー状況がありまして、ともかく何でもいいから量を確保するんだという議論になりまして、日中などでも議論になりましたけれども、大変大胆なナショナルプロジェクトがどんどんやられまして、それが結果として失敗した。
その大胆と言った意味は、当時、原油価格の設定を四十ドルぐらいでもいいじゃないか、為替は一ドル三百円ぐらいでいいということでプロジェクトの計算をしている。しかし現実には、その後、油価はどうなったかというと、二十五ドル、一番安いときには十ドルまで下がっているわけですね。そして為替は百円程度になった。そうであれば、円で見た油価の見通しなんというのはもう六分の一以下になっているわけで、もうめちゃくちゃな状況で、はっきり言ってプロジェクトとしては成り立たないということになると思います。
為替の変動が当時どの程度見通せたのかということはともかくとしても、例えば四十ドルでもいいとか、ともかく確保できればいいというようなそういう態度であったということが大変大きな問題だったんだと思います。量の確保を優先する余りに効率性や生産性の評価が非常に甘くなった、客観的に、定量的に判断できなかったということが大変大きな問題だったのではないかというふうに思います。
私の方からいろいろしゃべりましたけれども、大臣に、改めまして、この石油公団の自主開発プロジェクトのやり方について、一体何が問題であったと考えておられるのか、伺いたいと思います。

平沼国務大臣 大変、後藤先生から主に三つの点の分析をしていただいて、私も結果としてその御指摘は正しいと思っております。
我が国におきましては、石油等の安定供給の確保を図るため、昭和四十二年以降、石油公団、設立当時は石油開発公団と言っておりましたけれども、ここを通じた出融資等によりまして自主開発原油の確保に努めてきました結果、公団設立時、これは一九六七年でございますけれども、日量約二十七万バレルであった石油開発公団の出融資対象会社の自主開発原油輸入量は、日量倍以上の五十八万バレルまで増加しております。さっき御指摘のように、これは総輸入量の一三%に当たっております。このように、自主開発原油は、緊急時における安定的な供給源として一定の役割を私は果たしているものと認識をしております。
しかし、我が国石油産業におきましては、メジャーに比べて海外における石油開発への参入時期が遅かったこと、そして産油国との歴史的なつながりが薄かったこと等の歴史的な背景がある中で、自主開発を進めるに際し、プロジェクトが失敗した場合のリスクを親会社から遮断するとともに、とりわけ石油公団からの融資の減免制度を享受できるよう、御指摘のいわゆるワンプロジェクト・ワンカンパニー方式をとってきました。また、これを産油国自体が要求した、そういう背景もあります。中小規模の石油開発企業が多数設立されることとなったことも事実で、御指摘のとおりでございまして、これがこの全体の自主開発の中で非常に大きな意味を持ったと思っています。
また、出資及び減免つき融資を合計して、これも御指摘でございますけれども、原則七割まで財政資金による支援が可能であったことから、主体であるべき民間企業の経営責任があいまいになりまして、そこである面、ずさんさが出てきた、こういうことも御指摘のとおりだと思います。
さらに、これも御指摘なんですけれども、石油公団の運営や財務面については、石油危機などを背景に、特に一九七三年、自主開発原油の量的確保に重点を置く余り、資金の効率的運用に関して十分でない面があったのは私どもは事実だと思っています。石油公団が支援を行ってきた会社の中には、例えばナショナルプロジェクトのように大きな損失を計上するに至ったプロジェクトもあることは御存じのとおりだと思います。
こうした石油公団の財務、事業運営についての問題提起を受けまして、石油公団再建検討委員会及び石油公団開発事業委員会におきまして、石油公団の業務運営について徹底的な見直しを行いまして、そこで指摘された事項のほとんどすべてについて改革を進めているところでございまして、今回、そういった意味でも、例えば七割を上限五割にするといったような考え方も入れまして、本当にそういうこれまでの経緯の反省の上に立って、我々としてはしっかりした自主開発プロジェクトをやっていかなければいけない、御指摘の分析のとおりだと思っております。
後藤(茂)委員 自主開発の方式については、今後自主開発を私は進めていくべきだというふうに思っていますから、反省をしながらやはりやっていくということのために丁寧な検証が要るだろうというように思いますし、それを生かさないといけないので、今後もきっちりと、新しい法人等の活動とかを考えていかなきゃいけないと思います。
一応確認しておきたいと思いますけれども、例えば、日の丸原油三割確保だとか、あるいは中東依存脱却とかいうようなことも言われておりましたけれども、そうした目的については、これはどういう成果が上がったと評価されておられるんでしょうか。

河野政府参考人 これまでの事業の進め方について反省すべき点は反省しながら取り組んでいるという点は、今大臣から申し上げたわけでございます。
また、いわゆる三割という石油審議会が示しました自主開発原油の目標、こういったものについては、残念ながら現在一三%程度でございます。そしてまた、目標設定を余りにストリクトな数値目標にすることがかえって効率性を軽視するのではないかという警告もありまして、今では、その三割という目標を必ずしも持たないで、極力自主開発を進めるというラインでやっております。しかし、当初二十七万バレルぐらいでありましたいわゆる自主開発原油が現在五十八万バレルまで来ているということは、それなりの成果を上げたものだというふうに思っております。
また、おくれがありましたプロジェクトで、例えば昨年十一月に、サハリン開発については商業化宣言がようやく行われたというようなことで、一定のおくれを持ちながらも実現に向かっているプロジェクトもまたあるという実態にございます。
それから、中東依存度の点については、石油の九割弱が中東依存でございます。これはオイルショックの直前の段階より高いわけですけれども、これに対応しては、石油そのものはなかなか中東依存度を大きく引き下げることは難しいという面がありますので、石油のみならず、天然ガスへのシフトなども含めて、化石燃料の中東依存度を押し下げるということで、むしろ石油の依存度自身は七七から五二あるいは五一に下がってきているという状況にあります。
また、自主開発原油について申しますと、中東依存度全体が、油について八八%ぐらいという高い水準の中ですけれども、自主開発原油については七割程度の中東依存度にとどまっているということは一定の評価はできるというふうに思っています。
後藤(茂)委員 一定の評価をできるかできないかということは、我々も評価していると言いましたが、やっている側がこれで十分だと思っておられたのでは困るので、そこのところは、厳しい自己評価をしていただければいいなというふうに思います。
ところで、私、この自主開発方式にかかわることで一つ申し上げたいんですが、歴史にやり直しはきかないわけです。だから、もしもということを言っても無意味かもしれませんけれども、しかし私は、もしも石油公団ないしは国営石油会社に二兆円の金を投入して、リスク管理を行いながら一体的な経営を進めていれば、そして、日本というこれだけの巨大なマーケットがあったわけです。それは市場におけるマニューバリングの非常に大きな手だてであったわけで、それで、スーパーメジャーとは言えないまでも、例えば後発のフランスのトタールフィナ・エルフとか、あるいはイタリアのENIぐらいの準メジャーがどうして育てられなかったんだろうかと、私は大変残念に思います。
例えばフランスですけれども、一九二四年から、イラクにおける油田権益の維持管理を目的として設立されたトタール社、それから一九六五年には、炭化水素補助金制度で、これは五割補助の制度ですよ、五割補助の制度のもとで、全額政府出資によって設立されたERAP社、これは後に、一九七六年にエルフ社に再編されているわけです。こういう二つの中核の国策会社、国営会社ができた。
これに対して、フランス政府は、次々と出資と補助金をずうっと入れ続けて、そして権益確保のための非常に大きな外交的な支援を行って探鉱・採掘活動を続けていった。そして、コンゴやガボンでアフリカの油田を当てて、一九七〇年からは北海油田のプロジェクトに参加をした。そのことによってメジャーに次ぐ規模にまで達したわけですね。そして、一九八六年以降、両社の株を徐々に売却をして、現在では、二〇〇〇年二月にトタールフィナ・エルフということで二社が合併して準メジャーに、これははっきり言えば、シェブロン・テキサコとそんなに変わらないほどの準メジャーになっているわけですね。
イタリアでは、一九五三年に、自主開発体制の強化ということをめどに、全額政府出資のENI社ができた。同社は、ポー川流域のガス油田開発に成功して、その後エジプト、イラン等に進出して業務を拡大する。そして、一九九五年からは政府保有株式をちょっとずつ売却して、現在、権益埋蔵量でいっても六番目になっている。
ちなみに、スーパーメジャーはめちゃめちゃ大きいといいますけれども、原油換算権益埋蔵量でいえば、エクソン・モービルで二百十億バレル、ロイヤル・ダッチ・シェルで百九十一、BPで百五十、シェブロン・テキサコで百十五、トタールフィナ・エルフで百四、ENIで五十九、ちなみに日本は、全日本で六十九億バレルですね。
私は、大臣、少なくともこうしたことを見ていると、本当に悔しいと思うんです。日本も同様に、二兆円の資金をつぎ込んで、政府の強力な外交的な支援を行ってきている。そして、株式が民間売却されて準メジャー化したトタールフィナ・エルフやENIの状況と、今の日本の石油公団や石油開発会社の状況を見て、大臣はどういう感想を持っておられるでしょうか。

平沼国務大臣 今、フランス及びイタリアの具体的な、準メジャーに至った経緯を詳細にお話しをいただきました。そういう意味では、御指摘のように日本も二兆円を投じたわけですから、非常に強力な外交努力等で、死んだ子の年を数える、こういうことに相なりますけれども、私の感想としても、非常に残念なことであったなと思っています。
ただ、我が国石油産業においては、メジャーに比べて海外における石油開発への参入時期が非常に遅かった、また、産油国との歴史的なつながりが薄かったということもあると思いますし、また、戦後日本は、経済復興をしなければならない、そういう命題の中で、やはり上流部門より下流部門というものに力点を置いて国策が展開されてきた、そういう背景があったわけで、そういう中で、非常に残念なことですけれども、メジャーのような企業が育ってこなかったと思っています。
石油公団がこれまで行ってきた出融資等の結果、石油公団の出資対象分として保有する可採埋蔵量というのは、石油公団に限っていえば、今御指摘のように約五十五億バレルに達しておりまして、今御指摘のトタールフィナ・エルフ社の保有する可採埋蔵量が百億バレルを超えている、こういうことと比べると、ある意味ではそれほど遜色がない、そういうふうに私どもも思っておりまして、私どもとしては、石油公団資産の規模は、いわゆるメジャーに次ぐ有力石油開発企業に比肩するレベルだ、このように思っております。
経済産業省といたしましては、平成十二年八月の石油審議会中間報告において、自律的に石油開発事業の維持拡大を行うことのできる中核的企業グループの形成の必要が示されたところでございまして、引き続き、石油の安定供給確保の観点から、私どもは、今御指摘のそういった和製メジャーを、大変大きな資金をつぎ込み、そして可採量もそこまで来ている、そういうことですから、そういったことを政策課題の中心に据えてこれから努力をしていかなければならない、こういうふうに思います。
後藤(茂)委員 自主開発の方式については、今まで申し上げたようなことを考えながら、やはり十分検討していかなければいけないと思います。しかし、自主開発方式がうまく機能しなかったからといって、自主開発そのものが間違いだったわけではないというふうに考えております。
そこで、まず、石油という財の性格についてちょっと伺いたいと思いますけれども、これは戦略物資なのか一般のコモディティーなのかという点であります。
一部には、石油市場が変質化しましてこれは完全なコモディティー化したんだという議論もありますけれども、本当にそうなんだろうか。平時に石油を買えるのはもちろん当然でありますけれども、いや、価格の問題であって買えないということはない、全く一般のコモディティーと一緒だというような議論が最近結構横行しておりますけれども、非常時に慌てて油ごい外交をしてもそれは手おくれではないかというふうに思ったりもいたします。
そこで伺いますけれども、歴史を振り返ってみれば、メジャーが完全に支配していた時代、そのメジャーに完全支配されていた権益をOPECがカルテルで剥奪した時代、それからOPEC以外の産油国が出現したり、OPECの中にもいろいろな立場が出てきて、実を言うと相当に値が下がって石油市場マーケットが一般のマーケットに近くなったような時代とか、いろいろな世界市場の段階が歴史に応じてあったと思います。その辺のところの、石油市場の歴史的な変遷について伺いたいと思います。

河野政府参考人 今先生おっしゃいましたように、石油市場は、第二次大戦後だけを見ても歴史的に大きく変わってきていると思います。先ほどメジャーの埋蔵量の数字をお出しになりましたけれども、あれも産油国の国有化後の数字でございますので、恐らく、かつてメジャーが持っていた量に比べると、所有権という意味では減っていると思われます。当初、そういったメジャーが非常に強い影響力を持っていた時代から、産油国の非常に強い力を持つ時代に移った時期がございます。この間、OPECの価格支配力は非常に高いものがございました。
その時期を経て国際石油市場が育ってまいりまして、いわゆるスポット取引がふえてまいりまして、加えて先物取引も導入されるというようなことで、価格が、いわゆるグローバルのマーケットで決まってくるという要素が強まってきたことは事実でございます。そういう過程を経て、いわゆる長期契約物といいますか、一年ぐらいの単位の取引のものについても、価格自身はそういったスポット価格を参照しながら決められていくというようなことになりましたので、価格面での市場化は、ある意味では進んでいるという面がございます。
しかし、他方、昨今の状況をごらんいただければ、OPECが本気で協調減産をしたときの価格影響力は、わずか一年ぐらいの間に原油が三倍に高騰するというような事態を招いたということもあります。
また、やや不透明なところがございますのは、ことしの一月に、OPECのみならず、OPEC外の産油国、ロシアですとかノルウェーですとか、こういったところが輸出を抑制するとか生産を少しスローダウンさせるというようなことでやや協調いたしまして、三月以降、マーケットにかなりの影響を与えたというようなこともございます。
そんなことを考えてみますと、確かに石油価格が市場化してきているという面もある一方で、やはり、石油には依然として一般のコモディティーとは異なる戦略商品としての性格を持っているものだという認識を持っております。
後藤(茂)委員 石油という商品の位置づけについて、歴史の流れに応じて随分変わってきていると私も思うわけであります。
しかし最近、産油国において若年労働力がどんどんふえてきたことから、外資導入をねらっている、鉱区を欧米、日本の企業にどんどん開放して、非常に特殊な戦略的な、そういう枠組みでない枠組みで動き始めているということを大変強調される方がおられますけれども、そうした動きについてはどう評価しておられるんでしょうか。

河野政府参考人 御指摘のように、サウジアラビアですとかクウェートですとか、こういった産油国において若年の労働力が急増しております。こういった人たちにしかるべき仕事を用意するというのは、それぞれの産油国の政府にとって大きな課題になっているというふうに思います。そういう意味で、こうした産油国から、我が国も含めて、そういった投資を求める声は強いわけでございます。
また、加えて、それぞれの産油国が、国内の石油産業の活性化ですとか、生産量の維持、あるいは最新レベルの技術の導入促進、こういった観点からも、今まで外資に門戸を閉ざしてきた国々の中で、鉱区を開放して国際石油企業の参入を図るという動きも出ているわけでございます。こういうことであれば、我が国にとっても参入の機会というのが増大する可能性につながるわけですから、自主開発促進の観点からは望ましいというふうにも思っております。
こうした鉱区開放とか外資導入の動きは、実は他方、国際石油企業との間での競争をなかなか激しいものにいたしておりますので、我が国の民間開発企業の脆弱性というものもございますので、激しいこの国際ビジネスの中で何とか自主開発の実を上げてもらいたいということで、関係企業の開発への支援ということが必要なのではないかなと思っているところでございます。
後藤(茂)委員 大臣、いろいろ今話をしていましたけれども、一般の単なるコモディティーとは違うというふうに考えるべきだと思いますけれども、大臣に一言、その点について御答弁をいただきたいと思います。
平沼国務大臣 石油は、重要なエネルギー源としてその価格が世界経済に大きな影響を及ぼすことに加えまして、その埋蔵量が中東地域に偏在すること、あるいはOPECの協調減産政策がその価格動向に大きな影響を及ぼすこと、また、中東情勢に関連して、一部の産油国が政治的な意図から石油輸出を停止する事例が発生するなど、石油には依然として、一般のコモディティーとは異なり、戦略的商品としての側面が存在する、このように認識しております。
したがいまして、政府としては、石油依存度の低下に努めるとともに、石油自主開発の効率的な推進、緊急時の石油供給途絶等に備える石油備蓄の保有、産油国との関係強化、そういったための資源外交の展開等多様な石油の安定供給確保策を講じてまいりましたし、これからも講じていかなければならない、こういうふうに思っています。
今後とも、私どもといたしましては、石油を含め我が国のエネルギーの安定供給確保に万全を期していきたい、やはり戦略的な観点からやらなければいかぬ、こういうふうに思っています。
後藤(茂)委員 次に、自主開発の意義についてちょっと考えてみますと、自主開発原油が存在することによって、これは、これまでいろいろ議論になりましたから伺ったりいろいろしませんけれども、危機のときに、それがたとえ需要の一部であっても非常に大きな効果を発するとか、産油国といろいろな交渉をしていく際にも、それが戦略的な道具となって非常にレバレッジ効果が期待できるとか、石油を掘っていること自体が産油国との間では最大の友好関係のきずなになるとか、さまざまなことが言われておりまして、私もそうだろうと思っていますから自主開発については進めていくべきでありますが、産油国との間の問題について、ちょっと方向を変えて伺いたいと思います。
昨年、平沼大臣が中東を訪問されまして、イランとの優先交渉権を獲得したり、アラビア石油問題については、サウジアラビアに、半分残っているクウェートとの交渉が終わったら必ず再びサウジアラビアとも交渉を再開すると言明してこられたとか、さまざまな大きな成果を上げてきたというふうに言われておりますけれども、そうした中東とのいろいろな交渉の中で、中東の産油国などは日本に対して一体何を期待しているのか、その辺のところを大臣に率直に伺いたいと思います。

平沼国務大臣 御指摘ございました、我が国企業グループがイランのアザデガン油田開発に関する優先交渉権を獲得して以来、イラン側との交渉が進んできております。私も、昨年夏に中東四国を訪問させていただきましたときに、実際にイランに参りまして、ザンギャネ石油相とも、またハタミ大統領とも親しく会談を持たせていただきました。
また、アラビア石油のクウェート操業に関する交渉につきましても、本年三月、アラビア石油とクウェート石油省との間で新契約交渉が実質的に合意を得るなど、積極的な産油国との関係強化を通じて、一定の成果が上がっているものと認識しています。
私も、サウジアラビアを訪問しましたときに、今、後藤先生から御指摘があったように、クウェートとのいわゆる交渉が済んだら、私どもはぜひサウジアラビアとも同じテーブルに着いて、そして交渉をさせてもらいたい、こういうことを言明しておりまして、これも今私どもとしては継続してやらせていただいております。
中東産油国においては、欧米メジャーにのみ依存する構造は望ましくない、我が国を含む他国の国際石油開発企業の受け入れに対する期待があるということも事実です。
特に、先ほどの御質問の中で、若年労働層が非常にふえてきている、それがやはり一つ大きなそれぞれの産油国の問題でございます。ですから、石油以外でも日本とのそういう面での関係の強化をしたい、こういう各国の強い要望がございまして、私どもとしても、やはり多面的なそういう関係構築の中でエネルギーの安定供給が図れたら、こういう形で、特に若年層の労働者に対するそういう問題については、人材を派遣するとか、あるいは自動車というような一つの限定の分野ですけれども、自動車に関するそういう学校のようなものを建設して非常に評価をいただいている、こういうことを通じて多面的にやらせていただいているところでございます。
また、我が国企業の開発への参画によって石油公団に蓄積されている開発技術を活用できることなども中東産油国からの期待の一つとなっているわけでございまして、これももう後藤先生御承知だと思いますけれども、先般、イランとの間でアザデガンの油田の開発に関する優先権の獲得に際しましても、石油公団の有する三次元地震探査等の技術力がイラン側からも高く評価されていました。
こういったことがございますので、私どもとしては、エネルギー安定供給の観点から、中東産油国との協力関係については、石油・天然ガスの開発事業がこれはもちろん第一に重要でございますけれども、それにとどまらず、より広範囲に至る活動を通じて、戦略的に強化、深化させていくことが極めて重要でございます。
こういった認識のもとに、現在、中東産油国との間で石油開発・精製分野における技術協力、今申しましたけれども、幅広い分野における研修生の受け入れや専門家派遣等の人的交流、そして、若年層の増加している国の将来を見据えた投資ミッションも派遣をさせていただいて、事業可能性調査への支援等の投資促進策を実施しているところでございまして、こういったことを総合的に、多角的に幅広く進めていきたい、このように思っています。
後藤(茂)委員 私の方は、大変しつこいほどに自主開発を頑張れとエールを送ったつもりであります。でありますから、自主開発方式のこれまでのいろいろな反省をきちんとやはりやっていく。
今回、例えば、減免つき融資制度が廃止されて、七割助成が五割に引き下がるとか、法案の中にさまざまな改善はありますけれども、しかし、それをどう運用するか、新しい独立行政法人が新規のプロジェクトの出資やいろいろな事業の管理に当たってどういう立場でやっていくかということによって、また同じようなことにならないように、そこは過去の失敗と反省を踏まえてきちんとやってもらうということが前提でこのエールを送っているわけでありますから、その点をぜひよく御理解をいただいて、しっかりとした独立行政法人の運営とか方式をこれから考えていかなきゃいけないというふうに思います。
さて、今回の法案では、公団保有の開発関連資産の厳正な評価、処分を実施して、平成十七年三月をめどに石油公団を廃止することとされていまして、その後については、附則三条において、
政府は、特殊法人等改革基本法第五条第一項に規定する特殊法人等整理合理化計画に基づき、別に法律で定めるところにより前条第一項の規定により公団からその権利及び義務を承継する株式会社として政府がその資本の全額を出資するものを設立し、並びに当該株式会社をできるだけ早期に民営化するために必要な措置を講ずるものとする。
というふうに書かれております。特殊会社がどういうふうになるのかがわからないという中で、ここが非常に手がかりとなる条文であるわけであります。
資産の処分ということが非常に重要なわけでありますけれども、この附則三条を読む限りにおいては、少なくとも、特殊会社が権利及び義務を承継する、そしてその承継された特殊会社が早期に民営化されると書かれているわけです。ですから、資産の処分に当たっては、優良資産のみ売却して優良でない資産のみを残すということでは、附則三条のようにはならないだろうというふうに解釈できる趣旨だと思います。
資産の処分の考え方について、大臣の見解を伺いたいと思います。

平沼国務大臣 石油公団の開発関連資産の整理処分につきましては、経済産業大臣は、その事業計画を認可するに当たりまして、総合資源エネルギー調査会の意見を聞くとともに、内閣総理大臣に協議することとしておりまして、関係者のコンセンサスを得つつ、公明正大に行われるよう努めてまいらなければならないと思っています。
優良な資産こそ特殊会社に残すべきとの御指摘でありますけれども、特殊会社にどのような資産を承継させるかについては、石油公団資産の整理処分につきまして公明正大な検討を行いまして、最終的には別に法的措置をとるとされた特殊会社法の議論の中で具体的な姿を明らかにしていきたいと思っております。
ちなみに、本法案作成過程におきましては、私自身、政府等関係者と累次の議論を重ねました。いわゆる和製メジャー的な会社による効率的な経営手法のもとでの強力な自主開発原油の開発については一様に重要性を認めている、こういうことでございまして、こういった会社が将来和製メジャーを目指してできるような、そういった形で、しっかりした議論を通じて私たちは具体的な姿を明らかにしていきたいと思っています。
後藤(茂)委員 資産処分の考え方は、処分後の財産を引き継ぐことになる特殊会社がいかなる性格を持つかがはっきりしなければわからない、それはそのとおりだというふうに思います。もちろん、ここは国会の場ですから、どういう特殊会社であるべきであるかということを議論する必要もありますけれども、しかし政府としては、法律がないときにそれ以上のことは言いづらいということかもしれません。しかし、政策論は前向きにやっていくべきだなというように思います。
ところで、附則三条の規定を置きながら特殊会社法はなぜ出てこないんだろうか、これはみんな大きな疑問を持っているだろうというように思います。もちろん我々も、党内の議論とかさまざまな成果について議論の経過も漏れ伺っているところであります。しかし私は、議院内閣制において内閣が法案を提出する、その内閣の法案提出権のあり方の問題からいっても、あるいは与党の事前審査制度の問題の是非にもかかわる問題かもしれませんけれども、こういう二本の法律が出てくるとすれば、特殊会社法が同時に提出されなかったことというのは、やはり国民には非常にわかりにくいのではないかというふうに思いますけれども、大臣はいかがお考えでしょうか。

平沼国務大臣 当初、経済産業省といたしましては、石油公団法廃止法案と独立行政法人法案とともに、石油公団の開発事業関連の権利義務を承継する特殊会社法案を今国会に一括して提出をしたい、こういうふうに考えていたのは事実でございます。
しかしながら、石油公団の開発関連資産の整理処分に十全を期すために、まずは三年間、石油公団に資産の管理、処分を着実に実施させることが適当であると政府として最終的に判断をいたしました。
このため、今国会には石油公団法廃止法案と独立行政法人法案の二法案のみ提出することとしまして、特殊会社につきましては、石油公団法廃止法附則において、別に法的措置で設立する、このようにしているところでございます。
後藤(茂)委員 例えば、アザデガンにしてもカシャガンにしてもサハリンにしても、いずれにしても、メジャーとも組まなきゃいかぬ、産油国とも調整をしなきゃいけない。石油公団の日の丸を相当頼ってみんな仕事をしているわけですね。石油公団の日の丸がなくなった後に日の丸の信用は一体どこから出てくるのかとか、そういう観点から見ても、石油公団の組織問題に早く決着をつけて、そして特殊会社法もあわせて、やはりきちっとどういう姿なのかというのを見せてやっていかなければ、それじゃ、資産処分がどう行われるかわからないその相手に対して、一体どういうふうに、三年間とかそういう間、国際資本や産油国は対応するつもりになれるんだろうか。
そういうことからいっても、できるだけ早くに特殊会社法も出すべきだと考えますけれども、いつ法案を提出するおつもりなのか、お考えを伺いたいと思います。

大島副大臣 後藤先生にお答えを申し上げます。
もう御案内のとおりかと思いますけれども、石油公団法の附則におきましては、別に法的措置で設立することを明らかにしている特殊会社につきましては、整理処分後の石油公団の開発関連資産を引き継いで設立され、将来できるだけ早期に民営化することといたしている、これは先生御案内のとおりでございます。
そこで、今、特殊会社法案の提出時期のお尋ねでございますけれども、石油公団の開発関連資産の整理処分の状況を踏まえながら、そして、この法律の施行後三年以内に予定されている石油公団の廃止に間に合いますように提出をしたいと考えております。
後藤(茂)委員 確かに、政府の答弁はそういうことだろうと思います。今、法律がこういう形であるんだから。ただ、私が言いたいのは、ですから、立法論の問題として申し上げますけれども、どんな特殊会社のイメージにするかということであります。
出資八千五百億円について、これは損切りしてどんどん圧縮していく。特殊会社には、アザデガンだとかカシャガンだとかサハリンだとか、非常に有望な新プロジェクトも含めて、そこそこいい資産を持っている、私はそういう会社だと思います。適切に資産を処分、管理していくと、相当ぴかぴかの会社になるのではないかというように思います。そして、リスク分散の観点からいえば、ばらばらの資産の価値を合計して比べるよりも、私は、資産を統合してトータルの価値をつくった方が価値がより大きくなるというふうに思っています。
そして、具体的にも、この会社は一日も早く民間に株式公開をして民営化すべきだというように思っていますから、そういう意味でいえば、大きく育てて株式を公開したらいいのではないか。もし、よいものをばらばらと小さく切り売りしていってしまえば、そういう形での株式の公開というのはできない。確かに、ばらばらと小さく分けて資産を売れば、換金は即できるかもしれない、そういうふうには思いますけれども、しかし、私は、資源エネルギー政策の観点から見ても、財政政策の観点から見ても、そういう形で大きく育てていく道をとった方がいいだろうというふうに思っています。
それで、先ほどもトタールフィナ・エルフの問題やENI社の例を長々と申し上げたのも、実を言うとそういうことがあるからでありまして、和製メジャーという言葉が本当に適切な言葉であるかどうかは別として、少なくとも、国際戦略の中で中核的な戦略的役割を担う会社を日本が持っているということは、私は、我が国にとって非常に重要なことだというふうに考えております。
そして、今さらスーパーメジャーを目指すなんてことは、これは夢と言わざるを得ないかもしれないですよ。はかない、かなわぬ夢かもしれませんが、しかし、それでも有望な石油関係会社と開発会社とを統合して、純民間会社としていわゆる和製メジャーをつくっていく最後のチャンスが今ある、そのチャンスを資産処分いかんによっては失うことになるだろうというふうに私は思いますけれども、この辺についての、岐路に立っているということの認識について大臣に伺いたいと思います。

平沼国務大臣 経済産業省といたしましては、平成十二年八月の石油審議会の中間報告においても、自律的に石油開発事業の維持拡大を行うことのできる中核的企業グループの形成の必要性が示されました。引き続き、石油の安定供給確保の観点から、重要な政策課題と認識しております。
石油公団廃止法附則で別に定める法律で設立することを明らかにしております特殊会社につきましては、整理処分後の石油公団の開発関連資産を引き継いで設立されまして、できるだけ早期に民営化すること、こういうふうにしております。
いずれにいたしましても、特殊会社の目的、業務等については、別に法的措置をとることとなっていますけれども、繰り返しになりますけれども、今後の具体的な議論の中で明らかにしてまいりたいと考えております。御指摘の点は、私もそのとおりと認識を共有しておりますので、今後の具体化に大いに反映をしていきたい、こういうふうに思っています。
後藤(茂)委員 一言だけ言えば、優良資産をばらばらと切り売りすると、例えば、さっき言った三つの有望な金の卵もメジャーの草刈り場になるだろうと私は思いますので、その辺のところをぜひ、政策論としてきちっと今後の法案の問題や、そういうところに体を張ってやっていただきたいというように思います。
最後に、民営化という観点から一つだけ補足して伺うのですが、大きなリスクを伴う資源の自主開発プロジェクトのようなものについて、もし、単に、例えば優良な資産を切り売りして民間に任せればよいというような形で議論をしていきますと、実際にはそういう自主開発プロジェクトから我が国が撤退していかざるを得ない、あるいはその事業を放棄してしまうおそれがある、ということになるということは、我々、やはり認識する必要があると思います。
戦前、石油利権を独占して自己資金を蓄積したスーパーメジャーも、それから、例えば後発組の国営会社として国の援助を受けながら大きくなった準メジャーについても、国際マーケットの中できちっと役割を果たすように、歴史的経過なり国の政策、国家戦略があったと私は思います。
そういう意味では、単に石油公団を廃止することが民営化なのではない。私は、こういう中核的な民間のきちんとした会社をつくって、国家の戦略として、その会社が国際マーケットの中できちんとやっていけるところまで道筋をつけることが本当の民営化だというふうに思っていますし、資源エネルギー分野での民営化というのはそういうものでなければならないというふうに私は思っております。
そういう意味で、最後に大臣の御決意を伺いまして、質問を終わりたいと思います。

平沼国務大臣 私は、今、後藤先生の言われたことは正しいことだと思っておりまして、私どもとしても、そういった形で、将来、その特殊会社が、さらに民の活力によって、そして国というものが、エネルギーの安定供給、エネルギー安全保障、その中で一体となってしっかりとした運営ができる、そういうことを目指していくべきだ、このように思っております。
後藤(茂)委員 終わります。